心不全治療薬イバブラジンの効果
こんにちは、黒田です。新規の心不全治療薬が承認されたと聞きました。新しい作用機序を持つ薬物とのことですので、基本的な情報を集めつつ効果を検討した臨床試験も見てみたいと思います。 イバブラジンの基本情報その薬物は「イバブラジン」というそうです。まずは添付文書とインタビューフォームを参照して、基本情報をまとめておきます1,2)。...
View Articleブレクスピプラゾールとアリピプラゾールの体重に与える影響
こんにちは、黒田です。すでに発売からかなりの時間が経過しましたが、ブレクスピプラゾールについて調べたことがないのを急に思い出しました。基本的な薬理作用としてはD2受容体の部分作動薬ですから、類似の作用機序を持ったアリピプラゾールとの比較を行った試験を取り上げます。直接的な治療効果を比べてあればよかったのですが、そういったものがなかったので代わりに副作用である体重増加に注目した文献を引用します1)。...
View Articleヘパリン起因性血小板減少症に関して
こんにちは、黒田です。薬理学の本を読んでいると、ヘパリン起因性血小板減少症に関する記述がありました。以前から知識として知ってはいましたが、薬局勤務という都合もあり実際のケースを見る機会がほとんどなく、それゆえ詳しく勉強したこともありませんでした。そこで今回、この疾患に関するレビューを読んで要点をまとめたいと思います1)。 文献からの要点ヘパリン起因性血小板減少症 (HIT)...
View Article術中虹彩緊張低下症候群へのα遮断薬の影響は薬物によって差があるのか
こんにちは、黒田です。高齢者を中心に白内障手術を受ける人は多いものですが、α遮断薬を使用していると術中虹彩緊張低下症候群のリスクが増大することはよく知られています。服薬指導のときに、手術を控えていることが話題に上ることがあり、その際にこうした薬物を使用している場合には、軽く注意をするようにしています (さすがに手術を実施する医療機関でチェックはされていると思いますが、念のため)。...
View Article急性汎発性発疹性膿疱症について
こんにちは、黒田です。業務の関係でいろいろと調べ物をする過程で、急性汎発性発疹性膿疱症に興味を持ちました。まれな副作用なのであまり知識がないことから、この機会に調べたことをまとめたいと思います1,2)。 要点 急性汎発性発疹性膿疱症 (AGEP)...
View ArticleビタミンCは風邪に効くのか?
こんにちは、黒田です。先日、久々に「ビタミンCを摂ると風邪をひきにくくなるのか?」という質問を受けました。プライマリケア領域で尋ねられる素朴な疑問のなかでも上位にランクインするものと思われますが、そういえば具体的にどのくらいの影響があるのか、きちんと調べたことがありません。気になって軽く調べたところ、コクランにシステマティックレビューがありましたので、それについて下にまとめることにします1)。...
View Article偽痛風の治療に関して
こんにちは、黒田です。偽痛風の症例を経験・・・したのはいいのですが、この疾患の治療について系統立てて勉強したことがないことに、いまさらながら気が付きました。ちょっと問題だと思うので、この機会に総説を読んで知識をつけたいと思います。 読んだ総説直接、偽痛風について検索するとよさそうな文献がなかったので、これを含むより広範な概念であるピロリン酸カルシウム結晶沈着症 (CPPD)...
View Articleアスピリン喘息について
こんにちは、黒田です。調剤やOTCの販売において、NSAIDsを触る機会は多いものです。NSAIDsといえば、アスピリン喘息が副作用として有名ですが、そういえばどのくらいの頻度があるのか知らないなーと、ある時ふと思いました。ちょうどいい機会なので、アスピリン喘息について少し勉強しようと思います。...
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